不妊治療のために仕事を辞めたことについて
新橋夢クリニックに通う前の私は、正規社員として事務で働きながら地元の病院で人工授精を行っていました。
何度チャレンジしても成果の出ない人工授精。
でも体外受精に踏み切るとなると、病院も遠く仕事を辞めないと実際無理。
仕事を辞めて、費用も高くて成功する保証のない不妊治療を続けていくことができるのか…。
このまま仕事を続けて、主人と二人でたまに旅行でも行きながら、楽しい人生を送るだけでもいいのではないか…。悶々とする日々。
人工授精だけでも、仕事を急に半日休んだりする日もあり、治療のことを伝えてあった上司にも「いったいいつまで休むの?」などと言われるストレス。
親族の期待。
自分の年齢。
・・・心が折れそうでした。
そんなときに、新橋夢クリニックの話を知り合いから聞きました。
薬をできる限り使わない病院で、治療も最小限で済むとのこと。
最初は、田舎から東京に通ってまで治療するなんて考えられませんでした。
でも自分で調べてみるうちに、この病院に通ってみたいと思うようになりました。
最小限の治療とはいえ、都内の病院に通うのは一日がかりです。これ以上仕事を休むのは無理だし、通うなら仕事を辞めるしかありません。
夫にもいっぱい相談しました。
そして「仕事やめて治療に専念してもいいんじゃない?お金はなんとかなる」という夫の言葉に押されて、仕事を辞める決心をしました。
本当に夫には感謝しかありません。
仕事を退職した日は急に不安に襲われて大泣きしました。
もう自分の年齢とスキルでは、正規の事務職につくのは難しいだろう…このままどうなるのだろう…と。
でも、もう後戻りはできません。
自分の今できることを頑張ろう!そう思うしかありませんでした。
その後は幸運にも一度の採卵と移植で妊娠ができ、無事に男児を出産しました。
今は子育てをしながら、今後についていろいろと悩みつつ日々を送っているところです。
日々息子とゆっくり向き合えることは、本当に幸せです。
ただ子育てには、お金もかかります。
仕事を辞めたことで、息子を保育園に入れることはとても難しい状況で、仕事探しもほぼ手つかずです。
仕事をしながら子育てをする友人達を羨ましく思うこともあります。
あの時仕事を辞めなければ、かけがえのない息子に出会うことは難しかった、これでよかったんだと自分を納得させています。
仕事を辞めても、夢クリニックに通っても、子宝に恵まれない方は大勢いらっしゃると思います。
私は本当に幸せだと思います。
不妊治療のために仕事を辞めなければならない社会が変わってくれるといいなと思う。平成最後の日。